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ホーム > 科学センター特集 > 2011年12月10-11日皆既月食 > 月食の基礎知識

月食とはどんな天文現象なの?

月食が起こるしくみ  月食とは、満月が地球の影の中に入り込んで月面に太陽光が当たらなくなるため、月全体が暗くなったり、月の一部が欠けてしまう現象です。満月全体が地球の影の中に入ると「皆既(かいき)月食」、一部分が影の中に入ると「部分月食」と呼びます。あまりよく知られていませんが、地球の薄い影の中に月が入り込む「半影(はんえい)月食」と呼ばれる月食もあります。

半影(はんえい)月食と部分月食

本影と半影  地球の影といっても二種類あります。太陽の光がまったく当たらない「本影」と呼ばれる部分と、太陽の光量が少なくなっている「半影」と呼ばれる部分です。一般的には、月が本影に入り込んだ状態を「月食」いうことが多いのですが、天文学では月が半影に入り込んだ状態を「半影月食」と呼んで区別しています。
 部分月食は、見た目にも明らかに月が欠けていることが分かりますが、半影月食での月の暗くなり加減は微々たるものなので、肉眼ではよほど注意してながめないと、月が暗くなっている様子に気づきません。写真に撮るなど間接的に記録に残すと、月が薄暗くなっている様子を確認しやすくなるようです。

半影月食と部分月食画像

皆既(かいき)月食

皆既月食画像  地球の影の中に月全体が入り込んでしまった状態を「皆既月食」といいます。この時、月は完全に真っ暗にはならず、ほんのりと赤黒い色(赤銅色)に色づいて、美しく幻想的な色彩となります。
 満月は、夜空の星が見えにくくなるほどの明るさを放っていますが、皆既月食中の月は極端に明るさが暗くなるため、満天の星や天の川と同時に月をながめることができるようになります。
 

皆既月食の月はなぜ赤くなる?

皆既月食が赤くなるしくみ  これは太陽光が地球大気を通り抜けたわずかな赤い光が、月の表面をほんのり照らすためで、地球上層大気の透明度の具合で、皆既月食の赤い色づき方が大きく変わるといわれています。実際、火山が大噴火を起こし成層圏にまで大量の火山灰が吹き上げられた直後の皆既月食は、明るさが顕著に暗くなったと報告されています。
 

なぜ、満月のたびに月食にならない?

月食解説  平面的な図を書いて考えてみると、太陽−地球−月の順番に並ぶ「満月」のときには、必ず月食が起こってもよさそうに思えます。
 しかし、月が地球を回る軌道がわずかに傾いているため、実際に満月は地球の影から外れた場所を通過することがほとんどで、地球の影の中に入り込むことはまれです。
また、月が沈んで見えていない時間帯に月食が起こっても(月が地球の影に入っても)、当然見ることができません。例えばアメリカでは月食が見えて、日本では見えないということも起こります。
地球全体の規模で見れば、およそ1年に1〜2回ほどの頻度で月食は起こります。

 

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