今回の部分月食 押さえておきたい5つのポイント

ポイント1 月食の開始時刻は午前2時22分、終了時刻は4時18分

ポイント2 南西の方向の見晴らしがよい場所がおすすめ

ポイント3 もっとも月が欠けるのは3時20分ごろ,およそ4分の1が欠ける

ポイント4 月の欠け方,時刻は各地で共通

ポイント5 望遠鏡を使わなくても、肉眼だけで十分楽しめる

部分月食の醍醐味は、刻々と変化していく月の形の変化といえます。じっくり時間をかけて観察いただくことをオススメします。今回は1時間56分をかけて全経過を観測することができます。また、来年2018年1月31日には皆既月食が起こります。写真やビデオ撮影に挑戦したい方にとっては、その予行練習となる絶好の機会です。

2017年8月8日の部分月食の概要

2010年1月1日の部分月食  月食とは、地球の影の中に満月が入り込み、月の表面に太陽の光が当たらなくなる現象です。2017年8月8日未明、満月の一部が地球の影の中に入り込む部分月食が全国で観測できます。食の最大となる午前3時20分前後には、満月の4分の1程度が欠けた様子が楽しめます。
 今回の部分月食は始めから終わりまで、およそ2時間の天文ショーとなります。じっくり月を時間をかけて観測すると、月が刻々と欠けていく様子がよく分かります。夏休みでもありますので、小学生のみなさんは自由研究のレポートなどで、スケッチ観測に取り組んでみることもおすすめします。
 月食は望遠鏡を使わなくても肉眼だけで十分楽しむことができ、初心者でも観測気分を満喫できるおすすめの天文現象です。今回の部分月食は夏休み期間中に起こるため、小さなお子さまでも負担なく体験できる絶好の機会です。夜間の活動となりますので、大人の保護者の方のサポートをぜひお願いいたします。

 2017年8月8日部分月食の経過継続時間総継続時間
半影月食の開始00:485時間04分
部分月食の開始02:221時間56分
部分月食の最大03:20
部分月食の終わり04:18
半影月食の終わり05:52

月食スケッチで自由研究に挑戦

月食スケッチ  昨今はデジタルカメラやビデオカメラの技術の進歩で、初心者でも簡単に月食の画像や映像を撮ることができるようになりました。しかし、紙と鉛筆で見たままの姿を記録する「スケッチ」と呼ばれる観測記録は、小学生でも気軽に取り組める初歩的な記録方法です。刻々と変化する月食の欠け方の変化を記録できれば、立派な自由研究レポートになると思います。
 スケッチのよいところは「物ごとをじっくり観察し、本質的な特徴や特性に気付いたり考えたりする姿勢が養われる」こと。部分月食の姿は「月が欠ける」という単純な見かけ以上に、さまざまな事象を物語ってくれているはずです。

・時間とともに欠けている面積が変わっていくのはなぜ?

・欠けている影の境界がくっきりしておらず、ぼやけているのはなぜ?

・欠けている影が直線ではなく、緩やかな弧(こ)を描いているのはなぜ?

・影の色は真っ暗ではなく、赤みがかって見えることがあるのはなぜ?

・月食の月の欠け方は、ふだんの月の満ち欠けと比べてどうか?

・満月以外の月で月食が起こることはないのか?

 単に「見た」という経験だけに留まらず、月食の観察を通して何かに気付いたり、考えを巡らすことができる有効な自然観察の機会となるよう、周囲の大人の方はお子様へのサポートをお願いいたします。スケッチ用紙は このページ よりダウンロードしてご活用ください。