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 第11回 サイエンスカフェ岡山
佐藤氏画像
ゲスト講師 佐藤 孝子(TAKAKO SATO) (海洋研究開発機構 極限環境生物圏研究センター・東京都) 「深海への旅〜地球最後のフロンティア〜」  日時:10月26日(日)15:00〜17:30      (14:45より受付開始)  会場:夢空間はしまや(倉敷市東町)  対象:中学生以上の一般  定員:20名(先着順)  参加費:1000円  終了  参加申込・問い合わせ先: 倉敷科学センター(086-454-0300) <テーマ概要> 水深1,000mを超える世界であり、実は地球の表面積の70%以上を占めている「深海」。 太陽光の全く届かない暗黒・低温の極限環境で、生物は特異な進化を遂げています。 世界中でどこよりも深く、水深6500mまで人間が海に潜ることのできる有人潜水調査船 「しんかい6500」に乗船し、調査・研究を続ける講師が、いまだ固くベールの奥に 閉ざされたままの地球の広大な未知の世界を語ります。 ■会場情報 夢空間はしまや  場所  岡山県倉敷市東町1−20  TEL:086-422-2564  http://www.hashimaya.com/  ※駐車場満車の場合は、近隣の有料駐車場をご利用ください。
 開 催 報 告  文章 / 吉岡(ボランティア運営スタッフ)

第11回目のサイエンスカフェは海洋研究開発機構の佐藤孝子さんを講師にお招きし、深海の魅力や深海に暮らす生き物の不思議についてお話しいただきました。
佐藤さんは世界一深く潜れる有人潜水調査船「しんかい6500」に乗り込み、深海生物の採取を行います。そして持ち帰ったサンプルを使って、まだまだ謎に満ちている深海の生命体について研究をされています。2008年春には、「くじら号のちきゅう大ぼうけん」という絵本も出版されました。また保育園で絵本の読み聞かせを行うなど、研究の傍らアウトリーチ活動にも尽力されています。
「しんかい6500」から撮影した奇妙な深海の生き物の映像、チューブワームの標本、水圧で小さく縮んでしまったカップヌードルのカップ(指先でひょいとつまめるくらい!)など、参加者の皆さんにとっては実際に見て、触れてと、驚きと発見がつまった、まさに「海底2万マイル」の2時間半となりました。
佐藤さんが深海の調査をされる際には、直径2メートルというとても狭い潜水艇にパイロット二名とともに三人で乗り込み、深さ11,000mの暗くて寒い高圧環境へと向かいます。マリンスノーと呼ばれる海中懸濁物が発する蛍光を眺めながらの航行。船内の不便なトイレ事情や、船外アームを使ったサンプルの採取方法について、また8時間の潜水中にどんなことをして過ごしているのかなど、外に出ることのできないまるで宇宙ステーションのような非日常環境に、参加者からの質問が途切れませんでした。
深海への旅は、宇宙旅行さながら―。「民間の宇宙旅行プランが本格化した現在、深海旅行も決して夢ではないですよ。」と佐藤さん。「では深海の生き物がまるで宇宙人ですね」との言葉に、深海の不思議な魅力をみんなで分かち合えた時間でした。

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