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 第20回 サイエンスカフェ岡山
高畑氏画像
ゲスト講師 高畑 誠(MAKOTO TAKAHATA) (山陽放送気象キャスター | 岡山市) 「天気予報の読み解き方」  日時:2月20日(土)15:00〜17:30      (14:45より受付開始)  会場:キューティーパイ倶楽部(岡山市北区いずみ町)  対象:中学生以上の一般  定員:40名(先着順)  参加費:1000円  終了  参加申込・問い合わせ先: 倉敷科学センター(086-454-0300) <テーマ概要> 毎日利用している天気予報ですが、わたしたちはどこまで理解することが できているのでしょうか。 ころころ変わるときの週間予報の裏には何があるのか? どこまでが晴れでどこからが曇りなのか?初氷ってだれが決めるのか? 天気予報の知識からお天気全般の話題まで、地元放送局で活躍する 気象キャスターが解説します。 ■会場情報 キューティーパイ倶楽部  場所  岡山市いずみ町2-1-4(桃太郎アリーナ西側)岡山県総合グランド・クラブハウス内  TEL:086-255-3939  http://www.bb-tiara.co.jp/cutiepie/  ※駐車場満車の場合は、近隣の有料駐車場をご利用ください。
 開 催 報 告  文章 / 三島(運営スタッフ)

第20回目となるサイエンスカフェ岡山のゲスト講師は、岡山の天気予報の顔としてお馴染みの、山陽放送キャスター・高畑誠さんの登場です。会場は、岡山県総合グラウンド内のキューティーパイ倶楽部。明治43年に建築された伝統あるレトロな洋館を改装した、おしゃれなカフェです。
ふだん何気なく見聞きしている天気予報も、よくよく考えてみるとその意味を理解し切れていないことだらけ。「天気予報の読み解き方」をテーマに、参加者に質問を投げかけながらレクチャーが進行します。
1)降水確率何%なら傘を持って外出する?
会場の参加者による挙手では30%ぐらいまではチラホラ、おおむね50%以上から多くの手が上がるように見受けられます。この傾向は岡山県人独特の傾向があるそうで、東京で同じ質問をすると、30%から傘を持って外出するという人が大勢を占めるとのことです。岡山は「晴れの国」と呼ばれるほど雨の少ない地域。雨が降りにくいという意識の違いか、60%を越えてこないと傘を持って外出しようという人は少ないそうです。
一方、降水確率の誤解もまだまだ残っているそうで、本来の意味は1ミリ以上の雨の降る確率(同じ気圧配置の日が過去に100回あれば、そのうち何回雨が降ったか)のことではあるが、まだまだ雨が降る時間の割合と思いこんでしまっている人は多いようです。
2)週末の天気は何時の天気を見るのがよい?
気象庁の発表では、一日3回、朝5時、昼11時、夕方17時に最新の天気予報が発表されます。つまり、今日の天気を知りたいとき、張り切って早起きして午前5時のニュースで見る天気予報と午前6時のニュースで見る天気予報では違っている可能性がある訳です。
また、5時に発表される天気予報は「きょう」「あす」のみ。11時の天気予報で「きょう」「あす」「あさって」までの予報が発表されます。つまり、一番早い「あさって」の天気予報を知りたいなら11時の天気予報をみるのがよいということになります。
3)予報地域区分の境
岡山県南部、北部という言葉を耳にします。「旧北房町」「久米南町」は北部南部どちらに属するのでしょうか?降雪量など気象学的な区分の仕方もないわけではありませんが、さまざまな事情から行政区分に沿って決められることが多いようです。「旧北房町」は岡山県南部の区分でした。しかし、平成の大合併で真庭市となったため、ある日突然岡山県北部の区分に変わりました。ちなみに「久米南町」は岡山県北部の区分です。
このほか、県境そば(岡山県笠岡市と広島県福山市)の住人に聞いた調査の結果も紹介いただきました。笠岡市の住人は「岡山までは離れてるし。広島の天気予報の方が当たってる気がするから、広島の天気を参考にする」との回答が多く、福山市の住人では「岡山の天気予報を参考にする」という逆の結果が出ているそうです。「天気予報は当たりにくい」という意識から生じたと思われるおもしろい例です。
さまざまな天気予報の仕組みやルール、毎日、放送されている天気予報の舞台裏などを、リアリティーを持って解説いただくと、ふだん利用している天気予報の奥深さに気付かされます。また、放送局のスタッフが3分30秒の天気予報をより分かりやすく、正確に、おもしろく伝えるために、日々どれだけの情熱を注いでいるかについても触れることができ、天気予報の見方が変わる充実した2時間半となりました。

サイエンスカフェ岡山