最新の「かんむり座T星」

最も新しいかんむり座周辺の画像です。
カメラに仕込まれたプログラムが自動的に撮影して画像を転送します。
1日1回更新されますが、天候が悪く星が撮影できなかった日の更新はありません。
※画像クリックで拡大

プログラムが自動でかんむり座の星の配列をさがして線で結びます。たまに間違えますが大目に見てください。 なお、T星が爆発して増光を認識すると、プログラムがマルで囲んで教えてくれる・・・はずなので、この点に注目です。 果たしてうまくいくでしょうか。

ふだんのかんむり座

T星の増光があったとき(シミュレーション)

約80年ごとに爆発する再帰新星「かんむり座T星」

 かんむり座T星は、春の星座のひとつ、かんむり座の中の星です。ふだんは10等級と肉眼はもとより、望遠鏡を使っても見ることが難しい暗い星ですが、およそ80年ごとに爆発による増光を繰り返し、2~3等級と肉眼で楽に確認できるまで明るくなります。増光時には、かんむり座に肉眼で見える星がひとつ増えることになり、星座の印象が大きく変わってしまうでしょう。
かんむり座とかんむり座T星の位置 ※クリックで拡大
 「再帰新星(さいきしんせい)」とは、新星と呼ばれる星の爆発現象が短い間隔で起こることが観測された星を指します。かんむり座T星の場合、過去1886年と1946年に増光が確認されています。最近、天文電報中央局は「Electronic Telegram No. 5374」を通じて、1787年の増光の記録も発見されたと報じました。1787年の記録が正しいと仮定すれば、1787.9年、1866.4年、1946.1年の3回の平均的な間隔は78.8年 +/- 0.4年となり、次回の増光のタイミングは2024~2025年あたりが濃厚ということになります。
 かんむり座T星の爆発が起こると、明るさは一気に2~3等まで増光すると考えられています。一方、明るさのピークを迎えた後に急速に減光してしまうのもこの星の特徴で、肉眼で確認できる期間は1週間あるかどうかと予想されています。
 かんむり座は冬の時期には見ることができない星座です。爆発が冬の時期に起こってしまうと、われわれは残念ながら、このイベントの目撃者になれないということになります。かんむり座が夜空に見える時期に爆発が起こることを願いつつ、増光のそのときが来たら、できるだけ速やかにご自身の目で確認いただくことをおすすめします。

「かんむり座」をさがせるようにしておこう

かんむり座はきれいな半円形の形をした、まとまりのある星の並びが特徴です。一度見つけておくと、印象に残りやすい星座です。いちばん明るい星が「アルフェッカ」という2等星ですが、宝石を意味する「ゲンマ」という名前で解説されることもあります。
春の大三角を作る星の一等星のひとつ、うしかい座の「アークトゥルス」が際だって明るいため、まずはこの星を手がかりにして、うしかい座の位置を確認しましょう。かんむり座はそのすぐおとなりとなります。

 星図の日時:5月上旬 23時
       6月上旬 21時