今回の皆既月食 押さえておきたい5つのポイント

ポイント1 夜中までには終わり、土曜日で小さな子どもも負担なく観測できる

ポイント2 東から南の方向の見晴らしがよい場所がおすすめ

ポイント3 月食の開始時刻は19時15分、終了時刻は22時45分

ポイント4 赤く色づく皆既月食となるのは21時前後のわずか12分

ポイント5 望遠鏡を使わなくても、肉眼だけで十分楽しめる

月食の魅力は、刻々と変化していく部分食の形の変化と、ほんのり赤く色づく皆既食の美しさといえます。今回は3時間30分をかけて、全経過を観測することができる絶好の機会です。

2015年4月4日の皆既月食の概要

2010年1月1日の部分月食  月食とは、地球の影の中に満月が入り込み、月の表面に太陽の光が当たらなくなる現象です。2015年4月4日夕方から夜半前にかけて、満月全体が地球の影の中に入り込む皆既月食が観測できます。
 皆既月食はその始まりから終わりまでが3時間を超えるため、欠けた状態で月がのぼってきたり、途中で夜が明けたりすることも多いのですが、今回は半年前(2014年10月)に続けて、欠け始めから月が丸い形を取り戻すまで全経過を楽しめる月食となります。今回の月食は、西の地域ほど日の入り、月の出ともに時刻が遅くなるため、空が十分暗くなっておらず、月の高度も低く、条件が悪くなる傾向があります。
 月食は望遠鏡を使わなくても肉眼だけで十分楽しむことができ、初心者でも観測気分を満喫できるおすすめの天文現象です。今回の皆既月食は土曜日の夜に起こるため、小さなお子さまでも負担なく体験できる絶好の機会です。夜間の活動となりますので、大人の保護者の方のサポートをぜひお願いいたします。

 皆既月食中の月は、完全に真っ暗になるわけではなく、ほんのりと赤い色(赤銅色)に色づき、たいへん美しいながめとなります。これは、地球の影に入った月面を、地球の大気の層を通り抜けた赤い光が照らすためです。皆既月食中は満月の輝きが失われるため、周辺の春の星座たちも鮮やかに見ることができます。神秘的な赤い月と星々が織りなす光景は見逃せません。
 月食を観察・記録するには、月の形や色がしだいに変化していく様子を時間とともにスケッチするとよいでしょう。ズーム機能を活かせるビデオやデジカメで、月食撮影に挑戦するのもよいでしょう。
 次に県内で観測できる月食は来年2017年8月8日の部分月食となります。

 2015年4月4日皆既月食の経過継続時間総継続時間
半影月食の開始17:59
部分月食の開始19:151時間39分3時間30分
皆既月食の開始20:5412分
食の最大21:00(最大食分1.005)
皆既月食の終わり21:06
部分月食の終わり22:451時間39分
半影月食の終わり24:00

皆既月食の経過

(アストロアーツ社 ステラナビゲータ Ver.10 で作成)

 今回の皆既月食は、月が十分空の高い位置に達したときに観測でき、皆既月食の色づき方を観測するには最適な機会です。皆既月食中の月は赤く見えますが、その色合いは皆既月食のたびにそれぞれ異なるといわれています。じっくり月食観測に取り組んでみたいという方は、色鉛筆を用意して、このページのスケッチ用紙に月がしだいに欠けていく様子を記録してみましょう。

地球の影に対する月の動き