今回の皆既月食 押さえておきたい5つのポイント

ポイント1 赤く色づく皆既月食のみごろは午後10時半前後

ポイント2 東から南の方向の見晴らしがよい場所がおすすめ

ポイント3 月食の開始時刻は午後8時48分,終了時刻は午前0時11分

ポイント4 月の欠け方,時刻は各地で共通

ポイント5 望遠鏡を使わなくても,肉眼だけで十分楽しめる

月食の魅力は,刻々と変化していく部分食の形の変化と,ほんのり赤く色づく皆既食の美しさといえます。今回はおよそ3時間半をかけて,全経過を観測することができる絶好の機会です。

2018年1月31日の皆既月食の概要

2010年1月1日の部分月食  月食とは,地球の影の中に満月が入り込み,月の表面に太陽の光が当たらなくなる現象です。2018年1月31日の夜遅くから夜半過ぎにかけて,満月全体が地球の影の中に入り込む皆既月食が観測できます。
  皆既月食はその始まりから終わりまでが3時間を超えるため,欠けた状態で月がのぼってきたり,途中で夜が明けたりすることも多いのですが,今回は,欠け始めから月が丸い形を取り戻すまで全経過を楽しめる月食となります。日付をまたぐ皆既月食は2011年12月10日(~11日)以来で,月が空高くのぼり好条件の月食となります。
 月食は望遠鏡を使わなくても楽しむことができ,初心者でも観測気分を満喫できるおすすめの天文現象です。お子さんにとっても絶好の体験機会ですが,深夜の活動となりますので,大人の方のサポートをぜひお願いいたします。
 今回の皆既月食は2015年4月以来3年ぶりに観測できるものです。もっとも,倉敷は当時天候に恵まれなかったため,実質4年ぶりの皆既月食となります。
 皆既月食中の月は,完全に真っ暗になるわけではなく,ほんのりと赤い色(赤銅色)に色づき,たいへん美しいながめとなります。これは,地球の影に入った月面を,地球の大気の層を通り抜けた赤い光が照らすためです。皆既月食中は満月の輝きが失われるため,周辺の冬の星座たちも鮮やかに見ることができます。神秘的な赤い月と冬の星々が織りなす光景は見逃せません。
 月食を観察・記録するには,月の形や色がしだいに変化していく様子を時間とともにスケッチするとよいでしょう。ズーム機能を活かせるビデオやデジカメで,月食撮影に挑戦するのもよいでしょう。
 次に県内で観測できる皆既月食は半年後の2018年7月28日で,明け方に皆既の状態で月が沈む月没帯食となります。北海道では皆既になる前に月が沈み,西の地域ほど観測条件が良くなります。

 2018年1月31日皆既月食の経過継続時間総継続時間
半影月食の開始19:49
部分月食の開始20:4863分3時間23分
皆既月食の開始21:5177分
食の最大22:29(最大食分1.321)
皆既月食の終わり23:08
部分月食の終わり0:1163分
半影月食の終わり1:10

皆既月食の経過

(アストロアーツ社 ステラナビゲータ Ver.10 で作成)

 今回の皆既月食は,月が十分空の高い位置に達したときに観測でき,皆既月食の色づき方を観測するには最適な機会です。皆既月食中の月は赤く見えますが,その色合いは皆既月食のたびにそれぞれ異なるといわれています。じっくり月食観測に取り組んでみたいという方は,色鉛筆を用意して,このページのスケッチ用紙に月がしだいに欠けていく様子を記録してみましょう。

地球の影に対する月の動き