今回の皆既月食 押さえておきたい5つのポイント

ポイント1 赤く色づく皆既月食のみごろは午後8時20分前後

ポイント2 東から南東の方向の見晴らしがよい場所がおすすめ

ポイント3 岡山の月の出は午後7時01分,欠けたままのぼる月を手早くさがそう

ポイント4 月の欠け方,時刻は各地で共通

ポイント5 望遠鏡を使わなくても,肉眼だけで十分楽しめる

 東の地平線から欠けた月がのぼってくるのとほぼ同時に,反対の西の地平線に陽が沈みます。月食の前半は空がしだいに暗くなる中での観察となります。

2021年5月26日の皆既月食の概要

2010年1月1日の部分月食  月食とは,地球の影の中に満月が入り込み,月の表面に太陽の光が当たらなくなる現象です。2021年5月26日の宵(日が暮れてまもない頃,夜のはじめ)のうちに,満月全体が地球の影の中に入り込む皆既月食が観測できます。
 今回の月食は2018年以来3年ぶりに観測できるもので,月が欠けたままのぼってきて,それほど高くのぼりきらないうちに終わりを迎えます。
 月食は望遠鏡を使わなくても肉眼で十分楽しむことができ,小さなお子さまでも観測気分を満喫できるおすすめの天文現象です。ぜひ大人の方のサポートをお願いいたします。
 皆既月食中の月は,完全に真っ暗になるわけではなく,ほんのりと赤い色(赤銅色)に色づき,たいへん美しいながめとなります。これは,地球の影に入った月面を,地球の大気の層を通り抜けた赤い光が照らすためです。皆既月食中は満月の輝きが失われるため,周辺の星座たちも鮮やかに見ることができます。
 月食を観察・記録するには,月の形や色がしだいに変化していく様子を時間とともにスケッチするとよいでしょう。ズーム機能を活かせるビデオやデジカメで,月食撮影に挑戦するのもよいでしょう。
 また,今回の月食は今年最大の満月が見えるタイミングと重なります。地球と月との距離は平均よりも7%ほど近く,それだけ月も大きく見えます。「スーパームーンの皆既月食」などといった記事も散見されるようです。
 地平線に近い月は大きく見えるよう錯覚するため,肉眼ではそのちがいはまずわかりません。以前に満月や月食の写真を撮ったことがある方は,その時と同じ条件で写真を撮れば,大きさを比べることができそうです。
 次に岡山県内で観測できる月食は半年後の2021年11月19日で,またしても月が欠けたままのぼってくる部分月食です。皆既月食はさらに1年後の2022年11月8日となります。

 2021年5月26日皆既月食の経過継続時間総継続時間
半影月食の開始17:46
部分月食の開始18:4485分3時間08分
皆既月食の開始20:0919分
食の最大20:18(最大食分1.015)
皆既月食の終わり20:28
部分月食の終わり21:5284分
半影月食の終わり22:51

皆既月食の経過

(アストロアーツ社 ステラナビゲータ Ver.11 で作成)

 皆既月食中の月は赤く見えますが,その色合いは皆既月食のたびにそれぞれ異なるといわれています。じっくり月食観測に取り組んでみたいという方は,色鉛筆を用意して,このページのスケッチ用紙に月がしだいに欠けていく様子を記録してみましょう。

地球の影に対する月の動き