月食を目で見て観測する

眼視観測  月食は望遠鏡のような機材を使わなくても、肉眼だけで十分観測できる天文現象です。 星がよく見えるような郊外まで出かけていく必要はありません。庭先で、ご近所で、見晴らしのよい場所を見つけて観測してください。
 月食観測は、しだいに月が欠けていく様子をじっくりながめることになるので、長ければ3時間を超える長時間の取り組みとなります。防寒対策や虫さされ対策など、安全で無理なく観測するための準備が必要です。

月食を望遠鏡や双眼鏡で観測する

双眼鏡  望遠鏡を使えば月をクローズアップして観測できます。月全体が見渡せる倍率で食の進行のようすを記録したり、高倍率でクレーターの位置と比較しながら、影が進む速さを確かめてみることもできます。
 また、双眼鏡でも十分観測は可能です。「三脚アダプター」を用意し、カメラ用の三脚に取り付けると、手持ちのときと比べて振動がなく、格段にのぞきやすくなります。

月食をカメラやビデオで記録してみる

ビデオ  部分食の月は十分に明るいので、星などの天体と違い家庭用のカメラやビデオでも比較的よく写ります。しかし、皆既食前後は月が極端に暗くなり、高感度、長時間露出で撮影をする工夫が必要です。ビデオカメラによる映像撮影では、皆既食中の月は感度不足でほとんど対応できないことが多いようです。撮影には、震動防止のために三脚に固定するのが基本です。
 写真撮影では、200mm以上の望遠レンズを使った一眼レフカメラが理想です。コンパクトデジタルカメラの場合、多くの機種でズーム効果が足りないことが多く、望遠レンズやズームキットなど、必要に応じてズーム効果を補う必要があります。
 一方、ビデオカメラでは、ピント合わせができないトラブルをよく見かけます。オートでピントを合わせる機能を解除して、手動(マニュアル)操作で無限遠(∞)にピントを合わせます。ズーム効果が足りない場合は、オプションの補助レンズを使って補います。
 写真撮影、ビデオ撮影いずれにしても、事前に月を撮影してリハーサルをしておくとよいでしょう。

月食をスケッチしてみる

スケッチ用紙  スケッチは最も基本的な観測方法です。じっくり天体を観測する訓練にもなります。カメラやビデオで撮影できなくっても、 それはあなたの立派な観測記録です。機器の操作に詳しくない小学生でも気軽に体験できる、スケッチ観測に挑戦してみましょう。
 スケッチには色鉛筆とスケッチ用紙以外は、特別な道具は必要ありません。どれぐらい欠けたか、色合いはどう変化したか、 月食の変化をできるだけ詳しく記録できるように描いていきます。
 地球の影に入っている部分は、ただ暗いだけではなく、ほんのり模様も見えたり、少々赤みがかって見えたりします。 また、部分食が始まっていない(終わった後の)「半影月食」の時間帯も、よく見ると月の片側がうっすら暗く見えるはずです。
 「しっかり細かい部分まで見て、正確に記録する」。スケッチに本腰入れて取り組むことは、天体観測の基本を学ぶトレーニングにもなるのです。

月食観測用の星図(A4版)をダウンロード sketch.pdf
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学校、こども会、個人など、非営利な教育目的であれば、断りなく自由に印刷し配布を行えます