今回の月食 押さえておきたい5つのポイント
ポイント1 月が98%欠ける部分月食,みごろは午後6時ごろ
ポイント2 東の方向の見晴らしがよい場所がおすすめ
ポイント3 岡山の月の出は午後4時55分,欠けたままのぼる月を手早くさがそう
ポイント4 月の欠け方,時刻は各地で共通
ポイント5 望遠鏡を使わなくても,肉眼だけで十分楽しめる
東の地平線から欠けた月がのぼってくるのとほぼ同時に,反対の西の地平線に陽が沈みます。月食の前半は空がしだいに暗くなる中での観察となります。
2021年11月19日の部分月食の概要
月食とは,地球の影の中に満月が入り込み,月の表面に太陽の光が当たらなくなる現象です。2021年11月19日の宵(日が暮れてまもない頃,夜のはじめ)のうちに,満月の98%が地球の影の中に入り込む「ほとんど皆既月食」な部分月食が観測できます。
今回の月食は今年5月以来半年ぶりに観測できるもので(とはいえ,半年前は雲が厚くまったく見えませんでしたが),月が欠けたままのぼってきて,それほど高くのぼりきらないうちに終わりを迎えます。
月食は望遠鏡を使わなくても肉眼で十分楽しむことができ,また今回は午後8時前には終了するので,小さなお子さまでも観測気分を満喫できるおすすめの天文現象です。ぜひ大人の方のサポートをお願いいたします。
皆既月食の月は,完全に真っ暗にはならず,ほんのりと赤い色(赤銅色)に色づきます。これは,地球の影に入った月面を,地球の大気の層を通り抜けた赤い光が照らすためです。今回は皆既月食ではありませんが,午後6時02分の食の最大のころには影の部分が赤く色づいて見えるかもしれません。
このころには空も暗くなり,満月のまぶしい輝きが失われるため,周辺の星々も見やすくなるでしょう。
月食を観察・記録するには,月の形や色がしだいに変化していく様子を時間とともにスケッチするとよいでしょう。ズーム機能を活かせるビデオやデジカメで,月食撮影に挑戦するのもよいでしょう。
次に岡山県内で観測できる月食はほぼ1年後の2022年11月8日の夜,1時間半近く皆既の状態が続く皆既月食です。
2021年11月19日の部分月食の経過 | 継続時間 | |
半影月食の始まり | 15:00 | |
部分月食の始まり | 16:18 | 3時間29分 |
食の最大 | 18:02(最大食分0.978) | |
部分月食の終わり | 19:47 | |
半影月食の終わり | 21:05 |
2021年11月19日の部分月食の経過
(アストロアーツ社 ステラナビゲータ Ver.11 で作成)
じっくり月食観測に取り組んでみたいという方は,色鉛筆を用意して,このページのスケッチ用紙に月がしだいに欠けていく様子を記録してみましょう。
(アストロアーツ社 ステラナビゲータ Ver.11 で作成)