スタッフブログ 科学実験教室「科学の力で サバイバル」 

 3月8日(科学実験教室「科学の力で サバイバル」を開講しました。サバイバルと言えば、冒険のイメージですが、実は様々な力(努力・体力・協力など)を駆使して、必要なものを手に入れ、応援や救助が来るまで何とか生き延びることを指すそうです。
 タイトルだけだと「いったい何するの?」と思いますね。例えば、船が遭難し無人島に取り残されたとき、地震や津波など大災害が起きたとき、生活に必要な電気水道ガスなどがないと、生きのびるためにはいったいどうすればよいでしょう?
 子どもたちに必要なものを尋ねると「飲み水」「火」「家」「食料」などの答えでした。大正解!生き残るために必要な「サバイバル4原則」と言われるものがあり、この4つがそれにあたります。今回の講座では、ひとまず「飲み水を作る」「火をおこす」に絞って体験をしました。

 まずは、飲み水を作る(その1)泥水からきれいな「飲み水」を作るため、水の簡易浄水器を作りました。水道から水が出ない場合、水たまりや雨、川の水しかない時、知っておくと便利です。
 最初に、浄水器のつくりと仕組みについて勉強してから、手軽に作れる簡易の浄水器を作りました。ペットボトルに小石・砂・木炭・紙などを詰めてろ過をすることで、汚れやごみを取り除くことができます。今回は、さすがに泥水を飲みたくないので、浄水後の色や味を確かめるため、お味噌汁を使って浄水実験をしました。木炭を砕き、小石や砂を水ですすぎ、それぞれをプラコップに詰めて、正しい順番で重ねると完成です。早速、簡易浄水器にお味噌汁を少しずつ注ぎ、小石→砂→炭→紙の層を通過させます。子どもたちがジィー⊙▃⊙と見ていても、なかなかポタっと落ちてきません。実は、このろ過装置では、最初の1滴が出るまでに、かなり時間がかかるので、その時間を利用して、次の実験をしました。

 次に野外で火おこしをしました。火起こしの仕方は、虫眼鏡や火打ち石など、実はいろいろありますが、今回は、まい切り式火おこし器を使って、摩擦の力を利用して火を起こしました。 古代の火おこしは、「きりもみ式」アジサイウツギ、クワの木の真っすぐな枝を使って、スギヒノキの木切れに、枝を両手でねじって回転させ、その摩擦で火をおこします。あるいは「弓切り式」といって、枝の両端にひもを結び、弓のようになったひも部分に別の真っすぐな木の枝を巻き付け、前後に動かして枝を回転させて火をおこす方法もあります。昔の人の考えは、本当にすごいですね。 スギ板に切れ込みを入れ、その先に丸いくぼみを作ったひきり板に、おがくずなどを盛ります。そして、ひものねじりを利用してひきり棒を素早く回転させ続け、できた火種をおがくずに引火させると無事火起こしの成功です。

 「まい切り式火おこし器」は初体験の児童が多く、簡単には続けて回すことができません。しかし、くり返しチャレンジしたり、家の人と交代しながらコツを見つけたりして、かなり上手に回せるようになると「おっ!煙が!」「焦げ臭くなってきたよ」ただ、火が起こる火種を作るまでには、かなり速い回転を続けなければいけないので、「惜しいけど、火が着かない」感じで苦労しました。
 約45分間火おこし体験にチャレンジして、上手に火起こしできた親子は数組。中には子ども一人でも立派に火起こし成功した人もいたので、もう少し続けると何人も成功したかもしれません。火きり板とおがくずなどはお土産です。家でも挑戦してみてくださいね。

 最後に、飲み水を作る(その2)。部屋に戻って、お味噌汁をろ過した水を見てみました。濁っていたお味噌汁が、薄い黄色がかった透明な水になっています。気になる子は味見をしたところ、味噌味はしませんでしたが、塩分たっぷりで、今のままではとても飲めません。炭っぽいにおいや出汁の味がすると言った子もいました。 塩分や出汁の味はろ過できないので、浄水器の中を通過してしまいます。海水をろ過しても塩分で飲むことはできません。泥水をろ過しても、見た目はきれいでも雑菌だらけで飲むことができません。では、どうしたらいいのでしょうか?
 正解は「蒸留」するとよいとされ、ろ過しただけの飲めない水を加熱し、蒸発した水蒸気をもう一度冷やして水滴にして集めることをいいます。今回は鍋にお味噌汁をろ過した液を移し、コンロの火で温めて沸騰させ、その水蒸気をもう一度冷やして集めると蒸留水を作りました。今回は時間の関係で、約20分間沸騰させて蒸留水を集めました。約300mLのお味噌汁が浄水器を通ると、約50mLになり、さらにその溶液を蒸留すると約10mLにも満たない量しか集められませんでした。

 しかし、最後に蒸留水を小さな紙コップに分けて藩のみんなで乾杯(≧▽≦)!!いつもよりおいしく感じたことでしょう…。「焦げた味が…」「出汁の味が…」。。。。あれ(꒪ꇴ꒪|||)? おいしい水を手に入れるのは本当に大変なことだとわかりました。ふだん蛇口をひねるとすぐ出る水ですが、命を守る水です。これからも大切に使ってくださいね。参加してくださったみなさんありがとうございました。