ホーム > 科学センター特集 > 2010年6月26日部分月食 > 月食の基礎知識
月食とはどんな天文現象なの?
月食は、満月が地球の影の中に入り込んで太陽の光が当たらなくなるため、月全体が暗くなったり、月の一部が欠けてしまう現象です。満月全体が地球の影の中に入ると「皆既(かいき)月食」、一部分が影の中に入ると「部分月食」と呼びます。あまりよく知られていませんが、地球の薄い影の中に月が入り込む「半影月食」と呼ばれる現象もあります。
ちなみに今回の月食は2010年1月1日の部分月食以来半年ぶり、次回の月食は2010年12月21日の皆既月食となります。
半影月食と部分月食
地球の影と言っても二種類あります。太陽の光がまったく当たらない「本影」と呼ばれる部分と、太陽の光量が
少なくなっている「半影」と呼ばれる部分です。一般的には、月が本影に入り込んだ状態を「月食」いうことが多いのですが、
天文学では月が半影に入り込んだ状態を「半影月食」と呼んで区別しています。
部分月食は、見た目にも明らかに月が欠けていることが分かりますが、半影月食での月の暗くなり方は微々たるもので、
肉眼ではよほど注意してながめないと、月が暗くなっている様子に気づきません。写真に撮るなど間接的な記録に残すと、
月が薄暗くなっている様子を確認しやすくなります。
皆既(かいき)月食
地球の影の中に月全体が入り込んでしまった状態を「皆既月食」といいます。この時、月は完全に真っ暗にはならず、
ほんのりと赤黒い色(赤銅色)に色づいて、美しく幻想的な色彩となります。
満月は、夜空の星が見えにくくなるほどの明るさを放っていますが、皆既月食中の月は極端に明るさが暗くなるため、
満天の星や天の川と同時に月をながめることができるようになります。
皆既月食の月はなぜ赤くなる?
これは太陽光が地球大気を通り抜けたわずかな赤い光が、月の表面をほんのり照らすためで、
地球上層大気の透明の具合で、皆既月食の赤い色づき方が大きく変わるといわれています。
実際、火山が大噴火を起こし成層圏にまで大量の火山灰が吹き上げられた後の皆既月食は、
明るさが顕著に暗くなったと報告されています。
なぜ、満月のたびに月食にならない?
平面的な図を書いて考えてみると、太陽−地球−月の順番に並ぶ「満月」のときには、必ず月食が起こってもよさそうに思えます。
しかし、月が地球を回る軌道がわずかに傾いているため、実際に満月は地球の影から外れた場所を通過することがほとんどで、
地球の影の中に入り込むことはまれです。地球全体の規模で見れば、およそ1年に1〜2回ほどの頻度で月食は起こります。
〒712-8046 岡山県倉敷市福田町古新田940
TEL.086-454-0300 FAX 086-454-0304