2014年10月8日 3年ぶりの条件のよい皆既月食(はじめに)
10月8日夕方から夜半前にかけて、条件のよいものとしては3年ぶりとなる皆既月食が全国で観測できます。8日18時14分から満月がしだいに欠け始め(部分食)、19時24分には満月が地球の影の中に完全に入り込む皆既月食の状態となります。皆既月食の状態は60分続き、20時24分に皆既月食が終了、部分月食の状態となり、21時34分に部分月食が終了。満月は元の丸い状態を取り戻します。
月食は望遠鏡を使わなくても楽しむことができ、初心者でも観測気分を満喫できるおすすめ天文現象です。特に今回の皆既月食は、夜が更ける前に月食の全行程が観測できるため、小さなお子さまでも負担なく体験できる理想的な条件となっています。すばらしい天文ショーを楽しめるように、天気に恵まれることをみんなで祈りたいものです。
2014年10月8日 皆既月食の観測結果
2014年10月8日のその他の月食画像は「月食ギャラリー」のページでご覧いただけます
皆既月食の経過(合成写真)
月食の進行をとらえた合成写真。移動により、満月が地球の影の中を通り抜けていくようすがよく分かります。皆既月食
毎回、皆既月食の明るさは微妙に変化すると言われています。今回はやや明るめではありましたが、3年前の月食と比べると暗めの印象を受けました。皆既食中に見えた天王星
今回、たまたま月のすぐそばに天王星が位置していました。初心者には暗く探しにくい天王星ですが、月が目印となってファインダーでよく見えました。月食観望会風景
途中、雲の通過で月が隠れてしまう時間帯もありましたが、おおむね晴天に恵まれ、670名の方にご来場いただきました。月食 早わかりガイド
2014年10月8日 皆既月食の時間経過(全国共通) | 各地の日の入り / 月の出の時刻 | ||
半影月食の始まり | 17:14 | 札幌 | 17:05 / 16:56 |
部分月食の始まり | 18:14 | 東京 | 17:16 / 17:07 |
皆既月食の始まり | 19:24 | 大阪 | 17:33 / 17:26 |
食の最大 | 19:54(食分1.171) | 岡山 | 17:40 / 17:32 |
皆既月食の終わり | 20:24 | 福岡 | 17:54 / 17:47 |
部分月食の終わり | 21:34 | 那覇 | 18:09 / 18:02 |
半影月食の終わり | 22:35 |
(アストロアーツ社 ステラナビゲータ Ver.10 で作成)
今回の月食は、部分月食の開始から、皆既月食、部分月食の終わりまで、月食の全経過を観測することができる3年ぶりのチャンスです。
月の仰角は30度とやや低めの印象はありますが、写真やビデオ撮影、皆既月食の色合いのスケッチなど、さまざまな観測に挑戦することが可能です。
皆既月食中は月の輝きが失われ、周辺の星々が見やすくなります。赤っぽくほんのり色づいた月と冬の星座の共演は、すばらしく幻想的な光景で、今回の月食の見どころの一つです。可能であれば郊外の星がよく見える場所へ移動しての月食観測もオススメします。
参考にしたいWebサイト
・【特集】2014年10月8日皆既月食・・・アストロアーツ
月食に限らずさまざまな天文の話題を提供してくれている、国内屈指の天文情報サイト。
・ほしぞら情報2014年 皆既月食 2014年10月8日・・・国立天文台
国立天文台の月食情報のページ。月食のしくみや、観測情報が分かりやすく説明されています。
・「皆既月食を観察しよう2014」キャンペーンページ・・・国立天文台
国立天文台の観測報告キャンペーンのページ。皆既月食中の月の色について,観測報告を募集しています。
・日食および月食 平成26年(2014)・・・国立天文台(暦計算室)
・月食各地予報・・・国立天文台(暦計算室)
国立天文台・暦計算室による、月食の時刻や見え方などを調べることができるページです。
・「みんなで皆既月食を観察しよう」キャンペーンページ・・・JAXA宇宙教育センター
JAXA宇宙教育センターの月食情報のページ。全国から皆既月食の観測写真を募集。2011年12月の皆既月食の際に投稿された写真も紹介されています。
・月探査情報ステーション
月への探査、月の科学、月に関するあらゆる知識を教えてくれるサイト。
じっくり読めば、月への見方が変わるかもしれません。