今年のペルセウス座流星群 傾向と対策 (2023年版)

ペルセウス座流星群  夏の夜空の風物詩ともなっているペルセウス座流星群。出現数が多く、華やかな流星が多く期待できます。今年、ペルセウス座流星群が活動のピークを迎える夜の月齢は26、月明かりの影響はほとんどありません。
 流星群の観測はなるべく街灯りの少ないところへ出かけて、夜空の暗い場所で観測するのがベストですが、遠くへ出かけるのがむずかしい場合でも流星観測は可能です。街灯の光や車のライトが直接目に飛び込んでくるような場所を避けて流星観測を楽しみましょう。

■観測日について

 2023年のペルセウス座流星群は、まずまずの条件です。
 最も出現が期待できるのは、8月13日(日)深夜から明け方にかけての晩と考えられています。その前日、12日(土)深夜から明け方にかけての晩も、ピークに匹敵する出現が期待できます。さらに両日の前後にあたる、11日(金)や14日(月)の深夜から明け方にかけての晩も、数は減りますが流星が観測できそうです。
 いちばんおすすめの時間帯:8月13日(日)深夜から明け方にかけて・とくに午前0時~4時ごろ
 その次におすすめの時間帯:8月12日(土)深夜から明け方にかけて・とくに午前0時~4時ごろ

■観測時間について

 流星は夜中から明け方の時間にたくさん出現する傾向があります。夕空にはほとんど出現しないのでご注意ください。
 ペルセウス座流星群には、特に何時何分でなければ出現しないという特徴はありません。ペルセウス座流星群の場合、深夜の23時ごろから出現数が増え始め、夜が明ける(午前4時ぐらい)まで出現レベルが高い状態が継続します。時間の許す限りじっくり夜空を見上げてください。

■流星がいくつ見えるか

 夜空が暗く星がよく見える場所の方が流星をより多く観測することができます。可能であれば、郊外の星空の元に出かけての流星観測をおすすめします。ペルセウス座流星群では理想的な夜空で観測した場合、ベテランの観測者でピーク時には1時間あたり50個程度の流星が期待できます。初心者であれば1時間あたり20個を目標にがんばってみましょう。街中の星がよく見えない場所での観測でも10個前後は確認できそうです。

■取り組む時間について

 流星観測者は、ほぼ一晩中徹夜でがんばりますが、初心者でもそこまでがんばろうという方はまれなようです。
 流星観測はしんぼう強く夜空をながめなければなりません。ちょっと家から外に出て、2~3分夜空を見回して、「なんだ見えないや」とあきらめてしまう人が多いようです。
 人間の目は夜空の暗さに10分程度かけて順応するという特徴もあります。流星はしっかり星空とつきあってくれた人に贈られる、星空からのご褒美のようなものだと思って、1時間ぐらいはがんばって観測を続けてもらいたいものです。

■夜が明ける時間

 夏は夜明けが早い時期です。空が白んで星が見えなくなると流星観測もできなくなります。空が白み始める前の流星観測可能な時間は、およそ日の出の1時間前までが目安です。
 8月14日(月)の各地の日の出の時刻は次の通りです。
 札幌:4時38分 仙台:4時50分 東京:4時59分 大阪:5時17分
 岡山:5時23分 福岡:5時39分 那覇:6時01分

8月13日午前3時の星空

■ながめる方向について

ペルセウス座流星群の輻射点  ペルセウス座流星群は、空の一点(ペルセウス座付近)を中心に流星が飛び出してくるように見える特徴があります。こうした点を輻射点(ふくしゃてん)と呼んでいます。
 ペルセウス座を探すことができれば、こうした流星群独特の特徴を確認しやすくなりますが、流星自体は空のあちらこちら広い範囲に現れるため、星座探しに自信がないという方は、ペルセウス座が見える方向に特にこだわる必要はありません。
寝ころんで観測  敷物や携行できる簡易ベッドなどを用意し、地面に寝ころぶような姿勢でできるだけ空の広い範囲を見渡します。もちろん見晴らしがよい場所を選んでください。夜空のどこに流星が現れても見逃さないように夜空を見守る心意気と集中力が必要です。
 車の中から観測しようとする人もいますが、ガラス越しにながめる星空は意外にぼやけてしまうため、ほとんどの流星は見えなくなります。また、サンルーフを開けての観測も、夜空を大きく遮ることになるので、見える流星が極端に少なくなりおすすめできません。

■持っていくとよいもの

・懐中電灯 (まぶしくないように赤いセロハンをはるとなおよい)
・防寒着 (深夜の観測は夜風と露でかなり冷えます)
・簡易ベッド、地面に敷くシートなど (寝ころんでの観測に便利です)
・虫除け (夏の観測は虫との戦い)
・夜食 (暗くても手軽に食べれる携帯食を。観測地でのバーベキューはマナー違反)
・ごみ袋 (ごみは必ず持ち帰りましょう)

■どんな場所で見るとよいのか?

 街中で、星がよく見えない場所では流星も数が少なくなってしまいます。車でお出かけできる方は、天の川が見えるような場所まで行くのがベストですが、それが負担であれば、流星数は減ってしまいますが、自宅周辺でも観測は可能です。家の明かりを消し、街灯の明かりを避けて、周囲が暗めの場所をさがしましょう。
 私有地に勝手に進入しない。女性の場合はトイレの有無の確認をするなども、場所を選ぶ際には注意してください。