ペルセウス座流星群Q&A(よくある質問と回答集)(2023年版)

Q. いつ観測すればいいのですか?
 A.もっとも多くの流星が期待できるのは、13日の深夜から明け方にかけての時間となります。
 ありがちな誤解として、12日の夕方や13日の夕方に夜空をながめ、流星がほとんど見えなかったと相談される例です。流星は夕方の空にはほとんど現れないので注意が必要です。
 しかし、ペルセウス座流星群は一夜だけの天文現象ではありません。流星は数は少ないながらも出現しますので、極大当夜に天候が悪かったとしても、また翌日挑戦してみましょう。
 いちばんおすすめの時間帯:8月13日(日)深夜から明け方にかけて・とくに午前0時~4時ごろ
 その次におすすめの時間帯:8月12日(土)深夜から明け方にかけて・とくに午前0時~4時ごろ  → トップへもどる

Q. どんな場所で観測すればいいのですか?
 A.空が開けた場所を選んでください。
 理想的には天の川が見えるような、郊外の夜空の条件がよい場所まで出かけることですが、そうもいかない場合は、近くに明るい対象(街灯、車・道路、工場、店舗の照明など)がない場所を選んでください。
 また、夜も更けると思い掛けない人物に遭遇することがあります。不審者や暴走族などに注意することはもちろん、安全のため家族やグループでの観測計画をおすすめします。それから、他人の私有地にむやみに進入してはいけません。近所の広場を利用できる場合にも、話し声など近隣の住人に迷惑がかからないよう配慮をしましょう。  → トップへもどる

Q. 極大当日の観測が難しいので、別の日ではダメですか?
 A.数は少なくなりますが、見えなくもありません。
 ピークは13日の深夜から明け方にかけての時間となりますが、前後二晩くらいはそれなりの数の流星を見ることができます。この場合も「深夜から明け方にかけて」が基本です。とくに前日の12日の深夜から明け方にかけては要注目です。
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Q. 望遠鏡で観測させてもらえるところはありませんか?
 A.たぶん(絶対)ないでしょう。
 流星は眼視(目で見る)観測が基本です。望遠鏡は倍率を上げ、拡大して天体を観測するものなので、どこに現れるのか予測できない流星の観測には向かないのです。  → トップへもどる

Q. 当日晴れますか?
 A.「177」で気象台発表の天気予報をご参考にしてください。
 科学館にこのような質問をしてくる方、毎年います。科学館でも気象台発表以上の情報は持ち合わせておりませんのでご了承ください。  → トップへもどる

Q. 天気が悪くても見えますか?
 A.見えません。
 天気予報を見守りながら「てるてるぼうず」を吊るして、晴れるようにお願いしましょう。  → トップへもどる

Q. どれくらいたくさんの流星が見えますか?
 A.観測経験によっても違いますが、初心者の方なら1時間に20個くらいが目標です。 もちろん空の状態にもよりますし、観測者の疲労の具合などにもよります。流星は一瞬のうちに消えますので、たくさん見るには集中力がいるのです。すっきり目が覚めているときと、眠いのをがまんしながらの観測では、やはり見える流星の数はぜんぜん違ってきます。流星観測の前には、たくさんお昼寝できるといいですね。  → トップへもどる

Q. どっちの空を見てればいいですか?
A.流星は空のあちこちに見えます。とくにおすすめの方向はありませんので、真上の方向を広く見回すようにしてください。となると、寝転がる姿勢で観測できれば楽ちんですね。もしペルセウス座が見つけられなくても、流星の観測はできますのでご安心ください。  → トップへもどる

Q. ペルセウス座はどの方向に見えるのか教えてください。
 A.ペルセウス座は午後10時すぎに北東の空から昇ってきます。その後、徐々に高くなっていきますが、一番空高くに達する前に、夜明けを迎えて空が明るくなってしまいます。
 午前2時ごろですと、北東の空で「M」か「W」の文字の並びで有名なカシオペア座の下にペルセウス座は位置しています。星座を探したいときには星座早見盤を使うと便利です。  → トップへもどる

Q. 街中で星がよく見えない自宅前でも見えますか?
 A.数は減ってしまいますが見えます。
 流星も星がよく見えない街中では、確認できる数が減ってしまいます。好条件を望まなければ街中でも観測は可能ですが、その際は街灯など星の観測の妨げになるような明るい光源を避けることができる場所を選びましょう。
 これはあくまで目安ですが、条件のよい星空での観測流星数が100であったとすれば、4等星がやっと見える(大体の星座の星が見える)地方都市程度の星空では60、2等星や1等星がなんとか見える大都市程度の星空では30以下と、見える数がずっと減ってしまう傾向が報告されています。  → トップへもどる

Q. 双眼鏡や望遠鏡のような機材は必要ですか?
 A.必要ありません。
 一般的に流星は肉眼での観測で十分です。早まって望遠鏡や双眼鏡などは購入しないでください。  → トップへもどる

Q. 初心者にもできる簡単な観測法を教えてください。
 A.10分ごとに確認できる流星の数を数えてみましょう。
 一定の時間枠に出現した流星数を数える観測法を「計数観測」と言います。各地で観測されたこれらのデータを集積し、時間ごとの流星出現数の変化を比べ、流星群全般の活動の実態をつかもうというわけです。
 メモ用紙と筆記用具を用意し、流星が見えたらその合計数を「正」の字を書くように記録していきます。最終的に視野が雲で空が遮られていた割合(10段階評価:空全体が雲で覆われてたら10、雲が無かったら0)を加え、「02:00~02:10 4個 雲量2」「02:10~02:20 6個 雲量0」などとまとめればOKです。それから、星座をたどることができる人であれば、どのくらい暗い星まで見えたか(最微光星等級と言います)という記録も欲しいところです。
 ごく簡単な観測ですが、こうして得られたデータは貴重です。うまく観測できたら、最寄りの天文台、科学館、アマチュア研究家などへ報告しましょう。夏休みの自由研究にもいかがでしょうか?  → トップへもどる

Q. 8月13日の夜を見逃したらもうチャンスはないのですか?
 A.ピークから、前後2晩くらいずれても大丈夫です。
 過去にはピークから1日半もたってから予期せぬ第二のピークが観測されたこともありますので、油断できません。(2021年、ただし日本は昼間で観測できませんでした)  → トップへもどる

Q. 本や雑誌には、8月13日17時が流星群の極大と書いてありますが?
 A.地球全体でみたとき、流星群の活動が日本時間の8月13日17時ごろピークを迎える予報になっているという意味です。このピークには数時間程度の幅があります。日本時間で13日17時は日本では夕方ですが、その頃に未明の時間帯を迎えているアメリカの観測条件が日本よりも良いことになります。日本ではその直後の、8月13日の深夜から14日未明にかけてがピークということになります。  → トップへもどる

Q. 流星はどんなものですか?
 A.宇宙空間に浮かぶごく小さなチリの粒子が、地球大気中に秒速数十キロという猛烈な速さで飛び込み、その時に生まれる大気との摩擦で発光し燃え尽きる現象です。夕方よりも明け方に多く見える傾向があります。
 また、流星には毎年たくさん出現する時期が決まっていて、同じ時期に大量出現する流星にはそれぞれ共通性があるため、これらをまとめて「流星群」と呼んでいます。8月中旬に見える「ペルセウス座流星群」はその代表格です。
 流星のほとんどは1秒以内という瞬間の現象ですが、中には「火球」と呼ばれる明るい流星も見えることがあります。また、この一部が燃え尽きず地面に落下してきたものがいわゆる「隕石」です。火球や隕石の目撃証言は大変貴重なので、もしも目撃したら、明るさ、出現位置や移動方向、衝撃音の有無などを確認し、最寄りの天文台、科学館、アマチュア研究家などへ報告しましょう。  → トップへもどる

Q. 写真やビデオでぜひ撮りたいのですが?
 A.シャッターを長時間開けっ放しにできるカメラ(一眼レフカメラが最適)があれば、流星の写真撮影は可能です。カメラを三脚に固定し、シャッターを数秒~数十秒開けておけばOK。そこへ運良く明るい流星が横切ると写真として写ってくれます。
 一方、家庭用のビデオカメラでは、普通の明るさの流星は全く写らないといっていいでしょう。通常、流星の撮影には高感度の特殊なビデオカメラを使用します。ただし、流星の中には「火球」と呼ばれる大変明るいものもあり、ときには月並みに明るく輝くものもありますから、可能性はかなり低いものの不可能とも言い切れません。明るい火球が車載のドライブレコーダーに捉えられていた事例もあります。
 ビデオカメラは三脚に固定し、シャッタースピードやピント合わせはマニュアルで操作してください。ピントは無限遠(遠くの景色に合わせる)、シャッタースピードは暗い場所での撮影モードにしておきましょう。ビデオカメラが向いている方向に明るい流星が流れた時刻をメモしておくと、あとで写ったかどうかを確認したり、編集をするのが楽になります。  → トップへもどる

Q. 彗星と流星の違いを教えてください。
 A.彗星(ほうき星)は、氷やチリなどでできた直径数km~数十km程度の「よごれた雪だるま」のような天体です。これが太陽に近づいた際に表面が溶け、ガスやチリを大量に放出し、尾を引く美しい姿となります。地球からの距離があるので望遠鏡で観測します。
 流星は宇宙空間を漂っている、1グラムにも満たないような小さなチリが地球の大気に突っ込み、大気とのまさつによって燃え上がって発光する一瞬の現象です。しかし、流星のもとになるチリは、彗星がまき散らしたものなので、彗星と流星は、いわば親子の関係ということもできます。  → トップへもどる

Q. 東の空にすごく明るい星が見えますが、何ですか?
 A.この時期、東の空にとても明るい木星が見えています。この夏の木星は、おひつじ座付近に見えています。  → トップへもどる

Q. ホームページの写真を自由研究(など)に使っていいですか?
 A.倉敷科学センターのペルセウス座流星群の特集ページの写真は、「倉敷科学センター撮影」あるいは「写真提供:倉敷科学センター」などと出典元を明示していただければ、夏休みの自由研究や個人のブログなどに使っていただいてかまいません。  → トップへもどる