流星群はなぜ明け方に多く見えるのか
流星のもととなる粒子(以下、流星物質)は猛烈なスピードで大気中に飛び込むと言いましたが、このスピードが速いほど、流星はたくさんのエネルギーを発し明るく発光します。暗い流星はわれわれの目では確認できませんから、流星物質が大気中に飛び込むスピードが、流星の出現数を決める大きな要因となっています。
下の図を見てください。宇宙空間から見た、流星物質と地球の関係を示しています。地球は太陽の周りを回っている(公転)ため、図の右方向に絶えず秒速30キロで移動しています。地上でいう、明け方の向きです。
一方、流星物質は平均秒速40キロで動いているといわれているので、相対的に明け方と夕方では、流星物質の突入速度に差ができてしまいます。明け方は秒速70キロ、夕方は秒速10キロ。流星群によって地球軌道との接触角度は異なりますので、この速度傾向がいつも正しいとはいえませんが、流星が明け方にたくさん見えるという基本的な理由となっています。